つぶやくだけで成績アップ!勉強の集中力が高まる魔法の言葉

今日のテーマは、たった一言の声掛けで勉強の集中力を高められるという魔法の言葉のご紹介です。
脳科学の研究で、たった一言の声掛けであっても、言葉の選択が適切であれば、それだけで脳に大きな作用を与え、集中力を高められるということが明らかになりました。
どうして、そのような効果が脳に生じるのか?
勉強の集中力を効率よくアップさせるには、具体的にはどのような声掛けがよいのか?
受験生を専門に診療している心療内科医としての経験と専門知識をもとに、わかりやすく解説します。

雑念で長期記憶が阻害され、2週間で忘れる!
受験勉強を効率よく行うにあたって、なんと言っても重要なのが集中力ですよね。
でも、集中力がが大事だと頭ではわかっていても、いざ勉強すると、なかなか集中力が上がらなくて困っている受験生は多いと思います。
目の前の勉強のことに集中しないといけないのに、「今日のお昼は何を食べようかな・・・」とか、趣味のスポーツやアニメについてあれやこれやと考えてみたり・・・といった無駄な雑念がわいてくるというのもよくあることです。
たとえ、頭の片隅であっても、このような雑念を抱えながら勉強していると、百歩譲って、その場では暗記できたとしても、そのような記憶は長期記憶になりにくことがわかっています。
雑念が湧いてきたときに暗記したことは短期記憶にしかならないので、最大でも2週間以内に、全て忘れてしまうことになるわけです。
そんなときに、勉強への集中力を高めるために、ぜひ、口にしていただきたい言葉があります。
それは、科目の名前なんです。
英語の勉強をしているときは、「英語!」とつぶやく・・・。
数学の勉強をしているときは、「数学!」とつぶやく・・・。
これで、集中力を高められるのです。
よく、テニスの松岡修造さんが、集中したいときに「集中!」と叫びますよね。
だから、勉強についても、「集中!」という言葉がいいと思っている人が多いようですが、この効果は科目名には及びません。
誤解をしてほしくないのですが、松岡修造さんが「集中!」と叫ぶのは、脳科学的にも適切なことです。
ただし、受験勉強はそのような場合と脳の使い方が異なるので、口にする最適な言葉も異なるということです。
松岡修造さんのように、特定のスポーツ競技に関してしっかりトレーニングを積んでいる人は、運動を制御している小脳や大脳基底核が、集中したプレーを行うことができる自動プログラムを脳内で作り上げています。
それを起動すればいいだけなので、「集中!」がいいのです。
この言葉がルーティーンと同じ効果をもたらすことによって、集中力の高いプレーができるわけです。
ところが、受験勉強は、脳の働き方がまったく違います。
英語は英語、数学は数学で、それぞれ、勉強するときに、脳のどの部分をどのように使うのか、脳の使い方の内容が異なるのです。
脳は、「集中!」とつぶやくと、「スマホやゲームと違って、今は勉強だ」という方向に促せるという点では悪くはありません。
でも、英語は英語の集中、数学は数学の集中と、受験勉強の集中は、科目ごとに脳の働き方がかなり異なるのです。
だから、通り一遍に「集中!」と叫ぶより、「英語!」や「数学!」など、科目名をつぶやいたほうがいいのです。
実際、さがし物をしているときに、さがしている物の名前を口に出すだけで、脳の機能がアップし、早く見つけることができるという実験結果も発表されています。
ぜひ、集中力が落ちてきたなと感じたら、即座に科目名をつぶやき、集中力を取り戻す習慣をつけてください。
さらに、これを繰り返していると、やがて脳内で、英語は英語の集中力を高める自動プログラム、数学は数学の集中力を高める自動プログラムが徐々に構築されてきます。
そうなると、しめたものです。
科目名をつぶやくだけで、その自動プログラムが起動してくれるようになるからです。
もともとの効果に加え、こうしたルーティーンとしての効果も上乗せされてくるわけなので、さらに集中力を確実に上げることができるわけです。
実は、こうした自動プログラムを確立しておくと、最も役に立つのは、入試を受けている本番の真っ最中なのです。