受験の心療内科
【受験生必見】英語の読解力の低下を招く脳の不調とは?
受験生も親御様も、受験ストレスによる脳の不調に気づくために、ぜひ、チェックしていただきたいことがあります。
それは、英語の読解力が低下していないかということです。
読解力を低下させる0.5秒の謎!
受験の不安や勉強による疲労によって受験ストレスが高まると、英単語を思い出すスピードが、0.2秒から0.5秒といった、ほんのわずかな時間ですが、より長くなることが分かっています。
これは、一つ一つは本人も気付かないほどの些細な変化にすぎません。
しかし、にもかかわらず、脳内では、それが積み重なる結果、読解力が大幅に低下してしまうという現象が起こることが、脳医学の研究で明らかになりました。
読解力低下の原因は受験ストレス!
英語の読解力に関する学力自体は、1ヶ月や2ヶ月といった短い期間では、劇的に変化することはありません。
コツをつかむことによって読解力が上がるということはありますが、特に読解力に関する学力そのものが劇的に下がるということは、脳の仕組みの上で起こり得ないことです。
急に読解力が低下した場合は、学力が原因ではなく、受験ストレスによる脳の不調が原因である危険性が極めて高いわけです。
読解力を回復させるには?
受験生の脳には、どうしてこのような変化が起きるのか?
どうすれば回復させることができるのか?
受験生を専門に診療している心療内科医としての経験を元に、わかりやすく解説します。
英語の読解力低下を招く脳の不調とは?
英単語は知っているのに、英語の総合問題の長文が頭に入ってこない・・・。
模擬試験などを受けたら、受験生はもちろん、親御様にも、そのようなことが起こっていないか、ぜひ、チェックしていただきたいです。
なぜなら、脳が受験ストレスにむしばまれている危険な兆候だからです。
同じ英語であっても文法問題では、勉強を怠ると学力がすぐに低下し、成績の急落を招くということは、よくあります。
しかし、読解力に関する学力については、その性質上、急に下がるということはめったに起こらないのです。
本当の原因は、受験ストレスによる脳の機能の低下の可能性が高く、これを放置しておくと、やがて他の能力も低下し、英語に限らず、数学も国語も、いずれ成績の低下をもたらします。
なぜ、英語の読解力が低下したのか、その理由を正しく理解し、脳の機能を復活させて、成績を回復させましょう。
読解力低下の元凶は「脳の想起力」
英語の読解力の低下をもたらしている直接の元凶となっているのが、脳の想起力という能力の低下です。
脳医学では、知っている記憶情報を思い出す能力を想起力といいます。
脳内でこの能力が低下している危険性が高いのです。
英語の文章を読み取るためには、もちろん、単語の意味を知らなければ、話にならなりません。
でも、意味を知っていれば、それで十分に読み取れるとはいえないというのは、受験生なら、どなたも実感しているはずです。
大事なのは、思い出すまでのスピード、つまり、想起力のスピードなのです。
傍線部の和訳はできても要旨はつかめない!
傍線部を訳せといった問題なら、単語の意味を思い出すのに、3秒くらいかかっても、十分にできます。
でも、これでは、長文読解には対応できません。
単語を思い出す、つまり、想起に時間がかかったら、単語を一つ一つ、日本語に訳さないと、意味が取れなくなってしまいます。
この現象が頻発すると、1行1行は訳せるのに、長文全体の意味が取れないという、受験生にお決まりの症状が現れるわけです。
英単語の意味を思い出す、つまり想起するのに、1秒以上かかると、もう、文章をスラスラ読むことはできません。
脳が想起力をしっかり発揮できるかどうかが、英語の長文を読み取るための運命の分かれ道だということが、脳科学の研究で明らかになってきたのです。
脳の前頭前野がストレスで機能不全に!
では、どうして受験生の脳では、想起力の低下が起こるのでしょうか?
脳医学の研究で、かなり詳細に原因が解明されています。
英単語のような言語の意味は、こめかみのところにある側頭葉という部分に長期記憶として保存されています。
それを、おでこのあたりにある前頭前野という部分が検索して情報を引き出すことで意味が思い出せる、つまり、想起できるわけです。
記憶の置き場所となっている側頭葉は、比較的ストレスに対して強い性質を持っており、ストレスで記憶が消えるということは、基本的にはありません。
これに対し、前頭前野はストレスに対してとても脆弱な性質を持っています。
そのため、ストレス耐性を超えた状態に置かれると、側頭葉の情報が消えたわけではないのに、前頭前野の想起力が低下するために、覚えたはずの知識を思い出せなくなるのです。
想起力の低下には、検査が合格への第一歩!
緊張して度忘れをする・・・、あるいは「受験うつ」になって、知っているはずの知識が思い出せなくなる…。
こういう症状が出るのは、この現象が起きているわけです。
さらに、その一歩手前の状態だと、思い出すことはできても、時間がかかるという状態になるわけです。
つまり、英語の読解力が急激に低下した場合、それは受験ストレスによって脳の機能が低下していることを教えてくれるSOSサインの可能性が高いということです。
実際、私の心療内科クリニックの「早期合格コース」で、受験のスランプに陥り、長文がちっとも理解できなくなったという受験生の脳機能を検査したら、こういうケースがすごく多いのです。
検査が怖いという受験生も少なくなりませんが、それは考え違いです。
もし、検査を受けて「受験うつ」など、何らかの異常が見つかれば、実はあなたは大ラッキーなのです。
だって、それを治せば、英語の成績が一気に上がって、合格に大きく近づくということです。
根本的に学力が劣っているより、はるかに明るい未来が見えてきます。
心当たりのある方は、必ず、以下の記事も読んでください。
受験勉強の脳機能を医学的に分析!
【このページの要点】
①最新の光トポグラフィー検査(Optical Topography)で、勉強中の脳機能を科学的に分析します!!
②安全な近赤外光(near infrared radiation)で大脳新皮質の血流変化を測定するので、まったく安全です!
③大うつ病性障害(MDD)・双極性障害(BP)・統合失調症(SZ)などの誤診を防ぐこともできます!
④勉強のヤル気がわかない、集中力が持続しない、記憶できないなど、脳が抱える問題点が明確になります!
受験ストレスの状態を脳のレベルで科学的に診断するため、決定的に重要だといえるのが「光トポグラフィー検査(Optical Topography)」です。
そこで弊院では、早期合格コースの受験生の方に、真っ先にこの検査を受けていただいています。
「光トポグラフィー検査」を行うと、受験勉強を阻む症状をもたらしているのは、脳がどのような問題点を抱えているからなのか、正確にアプローチができます。
これは、志望校への合格を勝ち取る上で、生命線とも言える、とても大切なことです
急に勉強のヤル気がわかなくなった・・・、
イライラが収まらなくなった・・・、
問題が解けなくなった・・・、
これらは、受験ストレスの典型的な症状ですが、実は脳の中で起こっている異変はさまざまなのです。
たとえば、勉強へのヤル気がわいてこなくなくなったとしても、受験生のかた、お一人お一人、原因は異なります。
ある人は、脳内にあるA10神経の活動が低下して、ヤル気が出なくなる…。
別の人は、背外側前頭前野という脳の別の部分の問題で、ヤル気が出なくなる…。
原因が異なるわけですから、適切な対策も異なるのが当然です。
受験勉強の効率をアップさせるには、まず、脳機能の状態を浮き彫りにさせることが必要なのです。
光トポグラフィー検査は、まったく安全な検査です!
光トポグラフィー検査は、波長が800~2500μmの近赤外光(near infrared radiation)という光を頭に当てて、脳の活動状態を検出します。
この波長の光は、血液中のヘモグロビンに吸収される性質を持っています。
ですから、脳の大脳新皮質のそれぞれのエリアが、その瞬間、どの程度、活動して血液中の酸素を使っているのが、数値化できるわけです。
ぜひ、知っておいていただきたいのは、近赤外光(near infrared radiation)が人体にとってまったく安全であり副作用もないことは、医学的に完全に証明されているということです。