受験の心療内科
今日のテーマは、一生、忘れることがない記憶に変換できる脳の法則についてのご紹介です。
記憶に苦戦している受験生の方は、ぜひ、勉強に取り入れていただきたいです。
記憶力は生まれついての遺伝の影響が大きいと考えられていましたが、これは短期記憶に限定したことす。
受験に必要な長期記憶については、脳の使い方のほうが、はるかに大事だということが解明されました。
つまり、記憶の仕方を変えれば、誰だって合格できるハイスペックな記憶力を手にできるということです。
一生忘れない記憶に変換するには、具体的には、勉強するときに、どんな工夫をすればよいのか?
受験生を専門に診療している心療内科医としての経験と知識をもとに、わかりやすく解説します。
受験うつ~どう克服し、合格をつかむか~ (光文社新書)(電子版)
ストレスが増える受験期に、突然うつ症状を発症する人が急増している。うつで人生を狂わさないために、受験生本人や家族ができることは何か。受験生専門外来のがストレス管理や効率の良い勉強法を解説する。
覚えては忘れるを繰り返すのは、遺伝的に頭が悪いためではない!
今回のテーマは、一生、忘れない記憶にできる脳科学を応用した勉強テクニックです。
勉強して覚えては忘れ、また、勉強して覚えては忘れ・・・。
そんな無間地獄というか、むしろ無限地獄の漢字を当てたほうがいいような、とにかく、悲惨な苦労をしている受験生が少なくありません。
「私・・・頭が悪いのかな・・・」なんて、悩んでいる生徒さんも多くいます。
でも、意外に感じる人が多いと思いますが、受験に関する記憶力については、持って生まれた遺伝の影響は、かなり小さいことがわかってきました。
記憶力は、生まれつき良いか悪いか、遺伝的な影響が大きいという思い込みが世間で広がっています。
だから、記憶力が悪いことを親からの遺伝のせいにして、受験を諦めてしまう子どもも少なくありません。
でも、これは、そもそも脳医学的には間違っていることなので、とってももったいないことです。
確かに、その場で覚える短期記憶については、遺伝の影響が大きいのは事実です。
ですが、受験は、脳科学的には長期記憶の競争です。
そして、こちらは遺伝的な影響より、どのように脳を使って勉強しているか、後天的な要因のほうが、はるかに大きいということがわかっています。
つまり、少なくとも受験の結果を左右する記憶力については、生まれつきの遺伝はあまり関係なく、それより、どのように脳を使って記憶をしているかのほうが、はるかに大事だということです。
覚えても忘れてしまう理由は、記憶法が悪いのか、ストレスか理由は2つ!
頑張って覚えても、すぐ忘れてしまう理由は、記憶の仕方が悪いのか、それとも、ストレスによって脳が機能不全を起こしているのか、どちらかの場合が大半です。
そして、どちらも解決可能なんです。
今日、ご紹介するのは、誰でも簡単にできる、2週間以内にすべて忘れる短期記憶を、一生忘れない長期記憶に変える方法です。
こちらの図をご覧ください。
睡眠中に短期記憶を長期記憶に変えた人が入試に受かる!
図に示したように、情報が小さい海馬という部分に一時的に仮置された状態が短期記憶です。
そのうちの一部が、容量のはるかに大きい大脳新皮質という部分に置き換えられます。
これによって、一生、忘れることがない長期記憶に変換されるのです。
主にこの変換が行われるのが、睡眠中なのです。
では、この作用をパワーアップするには、どうしたいいか?
カンのよい方は、気づいていると思いますが、上記の図の中で赤字で書いている部分がその答えです。
① 寝る直前に、短期記憶に長期記憶化するためのタグ付けをすること
② 起床した直後に、想起訓練をすること
睡眠をはさんでこの2つを行うということで、私は、「睡眠サンドイッチ記憶法」と呼んでいます。
「睡眠サンドイッチ記憶法」で成績を爆上げしよう!
具体的にどのように行えば良いのかは、私のクリニックの「受験ストレスによる記憶力の低下」のページに、解説記事を書いておきました。
ぜひ、コチラをご参照ください。
「受験ストレスによる記憶力の低下」⇒クリック
以下の受験ストレスによる記憶力の低下についての要旨だけでも、ぜひ、ご一読いただければ嬉しいです。
✩ストレスホルモンで記憶できない!
→「記銘力」が低下!
✩脳が抑制され、記憶を思い出せない!
→「想起力」も低下!
✩志望校に合格するには?
最新医学をご紹介!
✓ 勉強しても記憶に残らない、暗記しても数日で忘れてしまうという方は、「受験ストレス性記憶障害」の危険性があります。
✓ 「ストレス性記憶障害(Stress-induced Memory Impairment)」とは、脳内の海馬や前頭前野が精神的なストレスにで障害を受け、記憶力が著しく低下する症状を指します。
✓ 受験勉強のストレスでコルチゾールというストレスホルモンが増加し、海馬の神経細胞にダメージを与えるため、記憶を作り出す「記銘(Memorization)」ができなくなってしまいます。
✓ 精神的なストレスが高まると前頭前野の機能が抑制され、記憶を思い出す想起(Retrieval)ができなくなってしまいます。
✓ 受験ストレス性記憶障害は、入試が近づくとストレスが増すため症状が悪化し、入試の当日に症状が極大化します。
✓ ご自分で簡単に実践できる記憶力を高める方法をご紹介します。
✓ 最新の治療方法により、受験ストレス性記憶障害から回復し、志望校に合格される方が多数でています。
頑張って勉強しているのに、ちっとも記憶に残らない・・・。
せっかく暗記しても、数日でほとんど忘れてしまう・・・。
昨日、何を勉強したのかも思い出せないこともある・・・。
もし、このような症状が起きていたら、あなたの脳は、「受験ストレス性記憶障害」に陥っている危険性があります。
「ストレス性記憶障害(Stress-induced Memory Impairment)」とは、脳内で記憶を作り出している海馬や、思い出すために重要な前頭前野などが、精神的なストレスによって障害を受け、記憶力が著しく低下する症状を指します。
特に受験勉強によるストレスは、ストレスホルモンのコルチゾールなどが増加しやすく、こうした症状を引き起こしやすい特徴を持っているのです。
このために生じるのが「受験ストレス性記憶障害」です。・・・