受験生のメンタル管理において、食事はとても重要です。
本来、食事は心地よく、幸せな気分にさせてくれるものです。
特に、受験生のような若い年代では、脳が健康な状態であれば、食事から得られる幸福感や快感は大きいものです。
しかし、受験ストレスが脳に作用すると、この食事の幸福感が得られなくなってしまうことがあります。
本来ならお腹がいっぱいになり、食後は気持ちがよくなるはずなのに、気持ちが悪くなる、好きな食べ物でも美味しく感じないなど、秋以降の受験生に特に増える異変があります。
原因は、脳の奥深くにある視床下部にあります。
視床下部は食欲の中枢であり、同時にストレスの中枢でもあります。
そのため、受験ストレスが増してストレスが重くなると、食欲が失われたり、胃腸の調子が悪くなり、気持ち悪さや吐き気を感じることがあるのです。
「食事は栄養を摂取できればいい」「お腹が空いていなければ、受験や勉強の方が大事」と考えて、食事を軽視する受験生もいます。
しかし、志望校への合格を目指す上で、食事を楽しみ、幸福感を得ながら摂取することが非常に重要です。
なぜなら幸福感とともに食事を摂取することができなくなっている受験生は脳の状態がストレスによって歪められている可能性が高いからです。
脳の視床下部の状態が悪化すると、その影響で思考力の中枢である前頭前野の機能が低下してしまいます。
こうした状況では、たとえ学力があっても思考力を発揮することができず、特に応用問題を解く能力が低下してしまいます。
また、英語や国語の読解力も連動して低下する傾向があります。
つまり食欲は試験で点数を取る能力そのものと深いつながりがあるわけです。
だから受験生は食事をおろそかにしていけません。
特に秋が深まり、冬が近づくこの時期、受験のプレッシャーは増していきます。そ
のような時期に、食事がおいしく摂取できているか、胃の不調や食欲不振がないかなど、注意を払い、自分の脳の状態を健康に保つことが大切です。
すでに吐き気や胃の痛み、食欲不振などの症状が出ている方は、機能性ディスペプシアという疾患を抱えている可能性も考えられます。
これは、胃や十二指腸に潰瘍ができているわけではなく、ストレスにより胃の動きが悪くなることで起こります。
すべての受験生が経験するわけではありませんが、入試当日は大きなプレッシャーがかかり、そのストレスは最高潮に達します。
その状態で脳をしっかりと働かせるためにも、事前に胃腸の不調や食欲不振を放置せず、早期に対策することが必要です。
受験生に多い受験ストレスと胃の不調、そして機能性ディスペプシアについての詳しい説明や対策方法は、私のクリニックのホームページ「受験ストレスと胃の不調 機能性ディスペプシア 志望校合格のための食事改善法」にて詳しく解説しています。