
不登校を生む対人関係の克服法!
不登校を生み出す元凶ハイコンテクストな対人関係

今日のテーマは、不登校になってしまう原因が「ハイコンテクスト」と呼ばれる対人関係の特徴にあるということです。
さらに、その対策が、不登校から脱却できる鍵になります。
ですから、不登校に悩んでいる生徒さん、あるいはその親御様には、「ハイコンテクスト不登校」という現象があることを、ぜひ知っておいていただきたいです。
実際、私の心療内科クリニックでは、学校側に「ハイコンテクスト」な対人関係に対する対策を取ってもらうことで、不登校から無理なく脱却できた生徒さんが多数います。
不登校を乗り越え、医学部に合格できた方の実例もご紹介しながら、わかりやすく解説したいと思います。

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ストレスが増える受験期に、突然うつ症状を発症する人が急増している。うつで人生を狂わさないために、受験生本人や家族ができることは何か。受験生専門外来のがストレス管理や効率の良い勉強法を解説する。
不登校を生み出す「ハイコンテクスト」とは?
まず、不登校を生み出す「ハイコンテクスト」とは何なのか?
これは、もともとは、文化人類学者のエドワード・T・ホール博士が、文化を比較するために用いた用語で、対人関係やコミュニケーションのあり方に関する尺度として用いられている用語です。
最近では、私たちメンタル医学の分野でも、「ハイコンテクスト」がうつ病の発病にも関わっていると指摘されており、不登校の原因としても重要な概念なのです。
「ハイコンテクスト」とは、どういう意味なのか、もう少し詳しくご紹介しましょう。
「コンテクスト」は文脈という意味で、「ハイコンテクスト」とはそれが高いということ。
つまり、文脈を読むことを重視した対人関係やコミュニケーションを指すものです。
簡単に言うと、空気を読むことを必要とする対人関係やコミュニケーションのあり方を「ハイコンテクスト」というわけです。
これに対し、「ローコンテクスト」とは、言葉のそのものズバリの意味で、すべてが解決するという、対人関係やコミュニケーションのあり方を指します。
ローコンテクスト文化の代表がアメリカで、ハイコンテクスト文化の代表が日本…などと言われています。
不登校の原因は、もちろん、イジメもありますが、学校のコミュニティの中でハイコンテクストな人間関係やコミュニケーションに適応できないということが、要因としてとても大きいのです。
また、そもそもイジメ自体も、ハイコンテクストな人間関係が生み出すストレスや誤解が原因となる場合が多いと指摘されています。
さらに、イジメる側にはその意図はまったくないにもかかわらず、それでもイジメられたと感じる例も多いのですが、その根本的な原因も、やはりハイコンテクストな対人関係にあるわけです。
このように、日本では「ハイコンテクスト」な文化的な背景が不登校の原因となることがとても多く、私はこうした現象を「ハイコンテクスト不登校」と呼んで警鐘を鳴らしています。
実は、「ハイコンテクスト不登校」は、今、猛烈な勢いで増えているのです。
では、「ハイコンテクスト不登校」は、どうして、今、増えてきているのでしょうか?
対人関係がハイコンテクストであるのは、日本では、むしろ以前の方がより濃厚でした。
現在では、若い世代であればあるほど、日本も徐々にローコンテクストな社会に変わりつつあります。
しかし、それこそが「ハイコンテクスト不登校」が増えている最大の要因となっているのです。
私が中学生や高校生だった時代は、明確なハイコンテクストな対人関係で成り立っていたので、そこに適応できない人もいるにはいましたが、その割合は決して多くはありませんでした。
ところが、現在では、ハイコンテクストな人間関係が綻びつつあるからこそ、そこに適応できない中学生や高校生が増加しているいびつな状況なのです。
「空気が読めない」という言葉が、より頻繁に使われるようになったのは、こうした社会背景が変化している一つの表れです。
さらに、こうした変化が、より明確に読み取れるのが、うつ病の発病です。
メンタル医学の研究で、脳が抑うつ傾向になってくると、コミュニケーションの中で文脈を読み取る力が低下してくるということか明らかになっています。
だから、受験うつになると、国語や英語の長文読解力が劇的に低下してしまい、私のクリニックでも重点的な診療の対象にしています。
同時に、受験うつになると、学校に登校できなくなるというのもよく起こることで、これは、うつ傾向になると、ハイコンテクストな対人関係やコミュニケーションが、とりわけ苦手になってくるためです。
これについては、脳医学でも、メカニズムが解明されています。
私たちはコミュニケーションをとる時に、脳の扁桃体という部分を使って、感情を共有しながら文脈を読み取っています。
どころか、うつ傾向になると、扁桃体は不安や不満といった感情のみを生み出す暴走状態のような形になってしまい、デリケートな文脈を読み取るということが出来なくなってしまいます。
その結果、ローコンテクストなコミュニケーションなら対応できても、ハイコンテクストなコミュニケーションには対応できないという状態になってしまうのです。
では、「ハイコンテクスト不登校」を克服するには、どうしたらいいのか。
最も大事なのは、うつ傾向に陥っている脳を回復させることです。
そのうえで、生徒を取り巻く環境を「ローコンテクスト化」するという対策を組み合わせるのです。
「ローコンテクスト化」は、日本企業が国際企業に脱皮するときに求められていることです。
実際、例えばメルカリは、会社をあげて「ローコンテクスト化」に取り組み、これが成功したことで海外事業でも業績を上げています。
同じような「ローコンテクスト化」を学校で行うには、企業と同じように学校全体の取り組みが必要で、不登校の生徒の個人的な努力では不可能です。
でも、学校の様々な場面の中で、ハイコンテクストな部分を排除することなら、個人でもできます。
私のクリニックの具体例でいうと、最もハイコンテクストなコミュニケーションが求められる昼休みは、教室で過ごすのではなく、学校に依頼し、個室を用意していただくことです。
私自身の経験では、主治医意見書を学校長宛に提出することで、今まで、個室の用意を断られたことは一度もありません。
また、体育や化学実験など、科目の特性でハイコンテクストなコミュニケーションが求められるケースも多く、こちらも学校側と協議し、自習やレポートに振り替えていただきましょう。
このように、学校生活の中から、ハイコンテクストな人間関係やコミュニケーションを徹底的にあぶり出して排除すれば、登校へのメンタル面の負担は大幅に軽減できます。
実際、こうしたハイコンテクスト不登校に対するきめ細かな対策で不登校を克服し、それが自信となって成績が急上昇したことによって、あきらめかけていた医学部への合格を実現されたかたも出ています。
脳機能を登校できる状態に回復させる!
ただし、その前提として、脳の機能自体を登校できる状態に改善しておくということが絶対条件です。
だからこそ、磁気のパルスを当てて脳の活動を改善させるなど、脳医学とメンタル医学の専門の治療も必要となるわけです。
そこで、私のクリニックでは、不登校から回復できる心療内科プログラムに力を入れています。
これにより、前述の方も含め、不登校を脱却に成功し、医学部に合格された方も多く出ています。
具体的に不登校をどうやって治療していくのか、クリニックのホームページで解説しています。
その冒頭だけ、こちらのブログでもご紹介しておきます。
不登校になった方、ご家族の方は、ぜひホームページを見てください!
https://www.akamon-clinic.com/不登校/

✓ 不登校( School Refusal )の本当の原因は、うつ症状である場合が多いので注意してください。
✓ うつ症状を治療することで、苦痛なく前向きな気分で通学が可能になります!
✓ 特に医師・歯科医師になるには、面接をクリアーするため、不登校からの早期脱却が不可欠です!
✓ 退学や通信制高校に転校した人も、うつ症状さえ治せば、再びエリートの人生に返り咲くことができる秘策があります!
✓ 不登校回復プログラム(Medical Program for School Refusal)とは、磁気刺激治療とカウンセリングの組み合わせで、不登校からの早期解決が可能になります!
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
不登校(School Refusal)の原因はさまざまですが、その背景には、うつ病などメンタル面の不調が隠れている場合が少なくありません。
弊院では、不登校で退学を余儀なくされた生徒が多い通信制高校と連携し、生徒さんの問診と親御様への聞き取り調査を行いました。
そのデータを分析すると、うつ症状なのに本人も親もそれに気づかず、対応が後手後手に回ってしまっているケースがとても多いことが明らかになりました。
逆に言えば、うつ症状され取り除けば、再びエリートに返り咲き、医学部合格も視野に入ってくるということです。
続きを読む ⇒ 本郷赤門前クリニックホームページ